この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
蜘蛛の巣
第2章 伸ばされたショクシ
「あ……ハハッ! 本当に正直だね、君のお腹は」
壮真に笑われて華の顔がますます赤くなる
「まぁもうすぐお昼だし、良かったら近くで何か食べようか。奢るよ」
「いやそんな! 悪いです!」
グゥゥ…
「……といっても、そんなに主張されたら放っておけないなぁ」
慌てて腹を押さえた華を見てまたクスリと笑う
結局、駅近のファミレスに入ることになった
"あの巨大起業の神崎家の御曹司とファミレスでお昼!? どういう状況これ!?"
ただでさえ緊張気味の華に、周囲の女性の視線が突き刺さる
「ねぇ、あの男の人超絶格好いいんだけど!」
「ていうか一緒の女誰? ぜんっぜん釣り合ってないけど」
"う……"
そんなことは百も承知なのだが。
「あ、もしかしてマネジャーとか? だってあの人モデルっぽくない?」
"そう思っててくれると助かります……!"
「華ちゃん?」
「へっ?」
周囲の囁きに耳がいっていた華は思わずすっとんきょうな声を上げてしまった
「決まった?」
「あ、は、はい」
本当は決まってなどいなかったが、待たせるわけにはいかないと慌ててそう答える
仕方がないのでパッと目についたグラタンを頼むことにした