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蜘蛛の巣
第3章 救い、あるいは–––
誰かの腕の中で、私は泣いて泣いてーーー
「華ちゃん」
しばらくして降ろされたベッドの柔らかい感覚にまた体をびくりとさせる華
「もう泣かないで」
そっと頭に手を置かれ、そこで初めて華は顔を上げてその相手を認識した
「壮真…さん……」
優しい笑顔と温もりにまた涙が溢れてくる
知らず知らずのうちに華は彼に抱きついてその広い胸に顔を埋めていた
「そんな簡単に…男に気を許すものじゃないよ……」
彼女には聞こえないほどの小さな声でそう呟きつつ、自分にしがみつくか弱い少女の髪をそっと梳く
段々と落ち着いてきたのか、華の肩の震えが治まり大きく息を吐くようになっていた
「大丈夫?」
彼女の顔を覗き込み笑顔で尋ねる
「はい…すみませんでした……」
「何で謝るの」
壮真は華をリラックスさせるように声を立てて笑った
「あの……」
「ん?」
「知ってるんですか……? 私が遥さんにされたこと……」
壮真の顔がほんの一瞬だけ曇る
「……まぁ…あの状況を見ればなんとなく察しはつくよ」
「私は…あの人に何かしましたか? こんなことされなきゃいけない何か……」