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蜘蛛の巣
第3章 救い、あるいは–––
自分の中に非を探すように言った華に壮真は首を振る
「あの人が何を思ってどう動くかは俺たちにもまだ分からないことが多い。でも大体はそうされた側に責任はないんだ」
「でも……」
「華ちゃん」
更に続けようとした華の唇に人差し指を当てそっと制する壮真
「彼には俺たちに対して絶対的な権力がある……だから皆彼の方が正しくなきゃいけないと自分の悪いところを探そうとするけど、世の中の善悪はそう簡単に決められるものではないよ。
華ちゃんは悪くないし……遥も…分からない」
"分からない?"
あれだけのことをしておいて。
だって強姦は立派な犯罪だ
私はただあの人の言う興味なんかの為に純潔まで失ったというのに。
「……っ」
思い出した途端秘部にまた痛みが走る
「痛むの?」
恥ずかしいことだったが、隠しても仕方がないので華は頷いた
「もう…嫌です。もし男の人が皆こうなら私は誰とも結婚なんか出来ない……ここにはいられない」
「それは困ったね」
壮真は眉根を寄せて本気でそう言った
「別にここにいる誰かと結ばれなきゃいけないなんて俺は思わないよ。でも……」