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蜘蛛の巣
第3章 救い、あるいは–––
壮真は近すぎる程近く華に顔を寄せる
そしてその美しい顔にいつも以上に柔らかい笑みを浮かべた
「それはもったいないよ」
「え?」
「いつか君に本当に好きな人が出来たとき、その人を恐れるのはもったいないって言ってるんだ」
"分かっちゃいるけど……でも……"
「あんなことされたら…今更どうにもなりません……」
そう顔を俯かせた華に壮真は驚くべきことを言った
「今ならまだ間に合う」
もう一度華に顔を上げさせ、まっすぐに彼女を見つめる
「上書きしよう。男女の交わりは恐怖じゃないと自分に覚え込ませるんだ」
「何言って……」
「荒療治だと思うかい? でも君は俺に救いを求めた……だから俺はそれを提案するよ」
ここにきて華は泣きついたことを初めて後悔した
でも彼の瞳はなんの迷いもなく華を見ていてーーー
下心とかそういうのは分からないけど、それをした後に身勝手な満足や後悔を感じたりしないほどの覚悟があることはよく分かる
そしてそんな強い男性に委ねてしまいたくなるーーー
「はいと言ったら……私を抱きますか?」
「ああ、抱くよ。君が求めれば」