この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
ホントの唄(仮題)
第4章 僅か、重なりゆく情景

「よし――午後はドライブと洒落こむとしよう。何処か行きたい場所とか、あるか?」


 真を車に乗せると、俺は柄でもないことを言ってる。


「え、いいの?」


「ああ、今日はそんな気分だろ。但し、あまり人目のない場所で、夕方までに戻れる範囲だぞ」


「アハハ! じゃあね――」



 とりあえず、今の彼女は笑っていた。それは『天野ふらの』ではなく『真』としての笑顔だ。

 だから、とすれば些か変とも思う。が、俺はもう少しの間、そんな彼女を見つめてみたいと感じていた。すなわちそれは、俺のエゴである。

 それならば、仕方がないと諦めるしかなかった。俺が自らの意志でそうする以上は、その後にどんな想いに苛まれたとしても、それには耐えるしかない。

 信号で停車すると、風に吹かれている横顔を俺はちらりと見た。


「なに、オジサン?」


「いや……別に」


 目が合ったことだけに、ドキッとして言葉を濁す。


 あーあ……これはいよいよ、ヤバいかな。


 俺はそっと苦笑した。

 平日の空いている道路は、彼方まで見渡せるよう。その真っ直ぐな道に向け、俺はアクセルを踏むとオンボロな車を走らせて行った。

/400ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ