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ホントの唄(仮題)
第5章 景色は騒々しく
ピチピチの素足を惜しげもなく剥き出しにするショートデニムは、ボタンが外され切り込むように下腹部付近まで開けている。ヘソ出しの黒のタンクトップと相まって、くびれから腰への魅惑的なラインをこれでもかとばかりに強調した。
何処で見つけてきたのか来た時にしていたものとは異なる、顔の半分を覆う様なデカいサングラス。結びを解かれた髪は自然でありながら妙に色っぽく、肩口に絡みつくように流れて吹き付けた風に靡く。
スパンコールを散らかした如き、無駄に煌びやかで派手なジャケットを肩から羽織り。ほど高い厚底のサンダルは、俺との目線の位置を揃えるまでにその長い足を際立てた。
それらの武装(敢えて、こう言わせて)でその身を固めた彼女は、いつの間にか真っ赤に染め上げた唇で――訊く。
「ユウジ――この人たち、誰?」
同時に肩に手を置き、身体をピタリと密着させて。
俺の傍に――真が立った。