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ホントの唄(仮題)
第5章 景色は騒々しく
真は自分の言葉を体現するかのように、激しい欲望を顕わにした。
車でした時と違う。それは――貪るような、強烈なキスが襲う。
それに何とか応戦しつつも、俺は――考えていた。
分岐点を赴くままに進めば、その先は急降下を滑り行くコースター。それをわかった上で、その方向に舵を切ったのは自分自身である。今更、ブレーキを踏むのは、あまりに無粋であろう、と。
そして――俺自身が、もう――真が欲しくて、堪らないことを認めた。
「――んっ! はぁっ……ンン」
暗がりの中で蠢き、興奮を高め合いって、唇をぶつけ合う。その隙間より漏れ出す、真の吐息も荒く乱れた。
そうして何処までも求めようとして追った時、ふっと離れた唇。俺の上の真は、その上体を起こして――言う。
「ね――見て」
交差した腕は、その先で自らの服を掴み取った。そして、躊躇なく一気にそれを首から引き抜く。
「……」
闇に慣れた目で、俺はその姿をじっと見つめる。
カーテンの隙間から差し込んだ外灯の光が、真の胸のたわわな凹凸を艶めかしく浮き上がれせていた。