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ホントの唄(仮題)
第7章 二人だけの時間に
「きっと――」
「ん?」
「経験豊かなオジサンの手にかかれば、私のような小娘は哭かされてしまうのだわ。もしかしたら、失神させられちゃう?」
おどけてみせて、真は言う。
「まあ、本来ならば……な。しかし生憎と、当方ちょっとばかり腰痛を患っている始末。あまり激しいのは、期待しないでもらいたいが……」
俺もふざけ半分(あとの半分は本心の懸念だが)にそう返した。すると真は、更にふざけてその口調をも変える。
「まあ、それはお気の毒。では、私が上になって差し上げても、よろしくてよ」
どこぞのお嬢様かな? 俺はツッコみを入れたい気分を押さえつつ、真剣な表情に反し、その戯れの趣向に乗っては遊ぶ。
「それは流石にご遠慮いたしますが。ワタクシ――至ってノーマルな男であります故に、その技で果たしてお嬢様の好奇心を満たすことができるのかと不安を憶えている次第です」
「アラ、失礼ね。それでは、まるで私が変態みたいなの、ですけれども――?」
明らかに妙になった語尾に、真は自ら照れたように小首を傾げた。