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ホントの唄(仮題)
第7章 二人だけの時間に
「オジサン……?」
「よっと」
真っ暗の中を蠢き、俺は手探りにベッドボードへ手を伸ばすと――
――パッ。
今度はスタンドの弱い間接照明が、ベッドの上の俺と真の姿を照らした。
脱力した肢体を、そこに預けたままの真。それを包むように、俺は俄かに軋むベッドの弾力の上に四肢をついている。
そうして――
「……」
真のボンヤリとした顔の輪郭を、すぐ下に見下ろしていた。
すると、真は――
「スケベ――やっぱり、私の裸が見たいんでしょ」
「悪いか?」
「ま、いいけど」
と、笑う。
今すぐにでも身体を重ねたい欲求。それに抗うようにベッドについた手足は、まだ若干の空間を真との間に保った。その力を抜き覆い被さってしまうのは、物理の理を説くまでもなく造作もないこと。
しかし未だそうせずに、戯言を携え真と見つめ合ってしまったのは、既に迷いではなく何らかの答え(言い訳)を其処に宛がいたかったから、だろうか――?
ともかく俺も真も、どうしようもなく――また言葉を連ねようとしていた。