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第8章 誠実な（？）、情事

　あっ……！


　ふと真から洩れた声は、俺の肉体的な高鳴りを見つけたかのように。

　男であろうとする形状が、その熱と昂揚を彼女の腹部にへと押しつけていた。


　今、俺は――女ではなくて、真を感じる。真を感じていたかった。

　真と交わりたいのだと、それを望みながら。そう、真だけなのだと――思う。

　だから、彼女の何かがどうあろうが、俺はそのひとつひとつに――正しく、興奮した。


　次から次に、それは止もうとはせずに。自分でも怖く、息苦しい程に――。

　それを何らかの愛だといってしまえたら、恐らくずっと気楽になれる。だがそれは無粋に尽きるのだと否定するから、俺は生真面目に頭の片隅を痛めているのだった。


　そんな己が愚かしいのは言うまでもないが、それが自分なのだと思うことは悪くはないのだと、根拠はなくともそう思えている。