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ホントの唄(仮題)
第8章 誠実な(?)、情事
「ああっ――ダメ!」
ピクッと腹筋をうねらせ、口から離れた胸がぷるんと弾んだ。
「ダメ――だったのか?」
と、訊ね。
「意地悪……この、中年……」
そう言った恨めしそうな顔に、音もなく笑った。
少し反り返ったその身体に浮くあばらの、その数を確かめるようにして――右手を。
次に絞られたくびれを伝い、へその辺りまでを撫でる。
暫く掌を置き、一定のリズムで奏でられる真の呼吸を感じた。
そうした後――下がった場所に、ふわっとした柔らかな体毛の感触。狭い範囲のそこを通り抜け、力を携えない指先が微かに深部を捉えた。
「ん……ん…………んっ!」
俺のひとつひとつの挙動を感じで、瞳を閉じ眉根を寄せている真の――その感じ入ろうとしているであろう箇所に、ひっそりとした熱量が宿っていた。