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ホントの唄(仮題)
第8章 誠実な(?)、情事
「……」
最早それらは理屈ではなかった。しかしそうであるが故に、俺は言葉を失っている。
後先を考えない行為とは、明らかに一線を画していた。真の示した覚悟が、文字通り俺を呑み込もうとしている。
くぷっ……。
淫靡な音を立て、先端を包もうとする坩堝は――もう、すぐにでも。しかし、真はそれ以上の力を込めることなく、恐らくは俺を待った。
「オジサン……」
只、そう伝えた時の瞳は、潤んで揺れていると――認め。
はっとして――ふと何かを思った。それが何であったのかを、正しく認識できたはずもなく。
だが、そうした直後――。
「真――」
――ぐっ!
「んっ……!」
俺は腰を沈め。
己の感情も覚悟も衝動も昂揚も――ありとあらゆる全てを――真の最中に押し込んでいったのだと、そう感じていた。