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ホントの唄(仮題)
第8章 誠実な(?)、情事
だが、俺にしてみれば、それは当然であり。ふざけてはいけない場面だからこそ、仮に却ってふざけたように見えたとしても、愚直でなけれなならなかった。
「こんな無責任なことして、お前の将来に傷がついたらどうする」
「どうして、そんな風に思うかなー。仮にそうなっても、それこそ運命でしょう?」
「それは現時点で背負込まなくても済む、運命なんだよ」
「だからぁ、私はネガティブに思って言ってるわけじゃないの」
「だったら、なんだ?」
「私は――全てを受け止める――って、ちゃんと言ったよ」
「それこそ、言葉の綾だろうに……。なんだってお前は、妙な処が頑ななんだよ……」
俺は軽い頭痛を覚え、意識がクラリとした。
だが――
「それじゃあ、オジサンは私に対して――快楽だけを求めていたの?」
「え……?」
「私には、そうは見えなかった。オジサンは誠実に、私を求めてくれているんだって、そう思えたんだよ」
「真……」
「だから、私……オジサンの全部を、この身体で感じてみたい……の」
真は真剣な表情を向け、再びじわりとと腰を、俺の方へと差し出してゆく――。