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ホントの唄(仮題)
第8章 誠実な(?)、情事

「ま、真――ちょっと、待てっ!」


「いやっ――待た、ない――よっ!」


 そう言って頻りに跳ねながら、小悪魔が微笑む。


「――いいからっ!」


 と、魅惑的な肢体を、両腕で抱き留めた。

 顔と顔が、目前に。はあ、はあ――とした、互いの息遣いにまみえる。


「イキそう? いいよ――いつでも」


 真に、言われる。

 その瞬間までも吸い着くような粘膜の収縮は、今にも高鳴りゆく劣情を搾り取りかねない……。


「バーカ。そういう訳に、いくかよ」


 それに何とか耐えながらも、俺は強がりにも似た言葉を吐いた。

 真は、少し呆れたように――ふっ、と――ため息。


「ホント――楽には生きられない人、みたいね」


「中年ってのは、須らく――因果な生き物だから、な」


「そんな大人――今時、いないと思うの。オジサンはきっと、絶滅危惧種だよ。フフ――私が優しく保護して、あげる」


「それは、余計な――お世話だっ!」


「あん……!」


 全身に力を込め、交わったままの箇所を起点とするように、前のめりに倒れ込む。


 ドサッと真の背をベッドに寝かせ、俺はその上から再度――身体を重ねた。

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