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ホントの唄(仮題)
第8章 誠実な(?)、情事
「……!」
俺は出かかった言葉を、ぐっと飲み込む。
それは、どんな気持ち――?
そう問うのは、余りに無粋。それでいて、恐らく無意味だった。
だが、それでも――この一時は、とても心地よいと思える。俺にそう思わせてくれたのは、真だった。
だからこそ、その部分に深く分け入ることはしない。
俺も――たぶん、真も。
ともかく、俺たちの間に積み重ねられた、新たな関係。しかし、俺は忘れてなどいない。それには必ず、終わりが付き纏う――ということ。
そして、それが存外に早いとういことを、俺はすぐに思い知らされるのだ。
それを告げようとしたのは――一本の電話。