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ホントの唄(仮題)
第9章 対峙して、知るもの
「お前が、かまったせいだろうが」
呆れ顔で、一応は抗議するも。
「こんな起こし方は――キライ?」
小首を傾げ、そんな風に問われてしまえば。
「嫌い……でもない」
と、思わず本音の一端を見せてしまうのも、男という生き物の習性か。いやぁ、それも俺自身の不徳による処でしょうね……。
ともかく朝の始まりからして、これではイカン-―と、思い直すべき。
何してんだよ、お前は。仕事探しは、どうすんだよ。頑張って自らを叱咤してみるが、あまり効果は望めそうもない。というか――
「オ、オイ……ちょと……」
ねっとりと絡みつくような舌の動きに、腰の辺りがぞわりとした。
「気持ち、いい?」
うん。と、頷きそうになり、そんな自分を痛烈に嫌悪。