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ホントの唄(仮題)
第10章 想い、知らされて
この日の別行動にしてもそうだが、真は真なりに、ある程度の違和感を覚えつつあるのだろう。
そして、その直感は正しく。この旅は、その後に終わる。
だとするなら、変に誤魔化す必要などなく。というか、寧ろそれを真に告げなければならなかった。
「まあ、いつまでも続けては、いられないからな」
「お金、なくなちゃう?」
「それもあるが――どの道、帰る時は来る」
「帰るって、オジサンのアパートに?」
「ああ、そうだ」
俺は、な。と、そこまでは告げない。
「ふーん。そっかぁ……」
その時、真がどう考えたのか、わからないが。
俺は未だ曖昧に留め、せめて明日までは、と思っていた。