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ホントの唄(仮題)
第12章 高崎家の人々
その様を唖然と見上げ――。
「女……か?」
「そりゃ、女でしょう」
「随分と、若いのね」
「彼女……ですか?」
「まさか……? でも、なんか見たことあるような気が……」
高崎家の面々は、各々それぞれの反応を示した。関係ないとは断ってあったが、どうやらその存在は気になって仕方なかったようだ。まあ、それも無理はないが――それにしても。
「オイ……」
何のつもりだと後方に立ったその顔を仰ぐが、真は「いいから」という意の視線を返すと、こんな風に前置きする。
「あ、私のことは気にしないで。只の部外者だしね。だから、今から言うことも、単なる独り言なの。だから、ホント――気に、しないで」
真はそう言いながら、胸を反らして深く息を吸った。
――?
一同がその一挙手一投足に注目する中、胸一杯に息を吸い果たしていた、真は――