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ホントの唄(仮題)
第14章 エピローグ
※ ※
『みんなぁー、待たせてゴネンねーっ! 私、みんなの前に、帰って来れたぁー!!』
うわああああー!
真――天野ふらの、の一言で一気に盛り上がる会場。ライブはそうして幕を開けていた。
その後、俺には馴染みのないヒット曲を以って、次々に満員の会場を魅了して行く。
「スゲェんだな……やっぱ……」
俺はポカンと口を半開きにして、その映像を見つめていた。今更ながら、彼女が人気歌手であることを思い知っている。いや、恥ずかしながら本当に今更なのだとは思うが……。
画面の中の『天野ふらの』は、とても生き生きとしていて、その姿を見れただけで俺は一定の満足を得ていたのは間違いが無かった。
しかしながら、俺の心の片隅には、何かを期待する想いが確実にあり。
そして、それは――ライブが中盤を過ぎた頃、だった。