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ホントの唄(仮題)
第2章 緊急モラトリアム

「ふう……」
真は髪を拭き終えると、吐息を漏らし床にペタンと胡坐をかく。
「――!」
黒のTシャツの裾から、微かに覗く白い下着を認め。流石にノーパンではなくとも、それはそれで刺激的なチラリズムとなる。
更に――
「今日は暑いねー。これじゃ、東京とあまり変わらないじゃん」
そんな不平を口に、Tシャツの首元をパタパタと仰ぐ真。その度に開かれた胸元が、俺の目線のアクセスを可能とするように。
「ハハ、そうだよな。じゃあ――と」
咄嗟に顔を背けた俺は、何かを誤魔化すようにリモコン片手にエアコンを可動。
「あと、喉か乾いちゃった。オジサン――何かない?」
「オ、オウ――待ってろ、今」
俺は要求されるがまま、いそいそと冷蔵庫の中を確認。一本のペットボトルを取り出し戻ると、それを真に差し出した。
「お茶で、よかったか?」
「うん。ありがと」
それを受け取ろうとした真のしなやかな指先が、期せずして俺の手の甲を俄かに擽っていた。

