この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
ホントの唄(仮題)
第3章 異常な日常の場面で

「ふうっ!」


 デカい丼を傾げ、濃いめのスープを飲み干すと、真は満足げに息をついた。


「美味かったか?」


 と、訊くと。


「別に、普通かな。不味くはなかったよ」


 すっかりと喰い尽くしている割には、その評価は厳しいものだった。


 まあ、それについて文句を言うつもりはない。この店は、特に『隠れた名店』という訳でもないのだし。店構えが古臭いから、客の入りも前述の通りだ。

 俺がこの店に通う理由は、実はそんな処にある。いくら美味かろうが、客でごった返してるような店には行く気になれない。味は二の次。落ち着いて居られるということを優先してのことだ。ラーメンなんて特別に不味くない限り、大概は美味しくいただけるのである。

 一人で飯を食うことが多い俺は、万事がそんな感じ。寂しい男だ思われようが今更かまわないが、その点については難点もある。それは俺が好んで通う飲食店は、程無く潰れてしまうという事実。客が居ない店を選ぶのだから、まあ、それも当然だった。



「ん? なんだよ」


 テーブルに頬杖をついた真が、俺の顔をしげしげと眺めている。

 それに気づき、俺はその意図を訊ねた。

 すると――


「オジサンってさあ。よく見たら、割とよさげだよねー。イケメンってわけじゃないけど、結構スッキリした顔してるし」


 そんなことを、実に軽々しく言う真に――

 俺はジロリとして、疑念の目を差し向ける。

/400ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ