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ホントの唄(仮題)
第4章 僅か、重なりゆく情景
左わき腹の周辺には、ぷにゅっとしたゴム鞠の如き胸の弾力。纏わりつくような左脚は、俺の上でくの字に折り曲がると――
その膝頭が何とも微妙に蠢き、股間付近を艶めかしく刺激し始めた。
コイツ……なんて寝相してやがる。
と、そう思うも一瞬のこと。俺はすぐに、はたと気づくのである。
だが、それも当然のこと。俺は確かに、ベッドに背を向けて寝ていた。そう、仮にベッドを転がり落ちるほどの寝相だとしても、現在の二人の体勢はあり得ないもの。
まだ寝続けるタヌキを、俺はジロリと睨みつけ――言う。
「オイ――いい加減にしろよ」
その声を耳にして、パチリと開くその瞳で俺を見つめ――
「へへ、バレたか」
そう言って舌を出した真は、実に悪戯っぽく笑うのであった。