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ホントの唄(仮題)
第4章 僅か、重なりゆく情景

「は? なにを言ってるんだよ」


「ナニって――それはつまり、こんなことしちゃうわけ、だけども?」


 そう言った時の素知らぬ顔に反し、真は行動は一気なまでに大胆だった。

 俺の胸板の上に置いていた左手が、スッと下方に下ったかと思えば、それが一歳の躊躇なくジャージのズボンの最中へと侵入を果たしている。


「さぁて、何処にいるのかなぁ」


「バ、バカ!」


 思いの外ひんやりとした手の感触に、俺は焦った。

 完全なる異物であるかのような侵略者が、俺の下着の中で目的としたモノを弄って探す。


 そして――それを、ギュッと掴み取られた瞬間。


「あっ……!」


「ふふ……居た居た」


 情けなく声を漏らした俺の顔を、意地悪く笑った真は見逃してくれなかった。

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