この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
ホントの唄(仮題)
第4章 僅か、重なりゆく情景

 左手の動きが、絶妙に艶めかしかったから。

 真が手馴れているのだと――俺は、知るのだ。



「ほら――ちゃんと反応してるよ」


 それは、朝だけに――と、俺は言おうとして、それは流石に止める。


 じわり……と力を伝えていた掌が、俺の男の箇所をあざ笑うかのよう。親指と人差し指で作った輪が、首から根元までをじっくりと往復してゆく。


 与えられし感触に応じて、更なる硬さと熱がその一点へと集中した。


 だが、辛うじて俺は――まだその快感に身を委ねることを、良しとした訳ではない。


「ふ、ふざけるのも大概にしとけ」


 確かに右の手足は縛られ、枕にされた左腕にもまだ痺れは残っている。しかしそれだけのことで、仮にも大の男が身動きを封じられてやる訳にはいかないのだ。

 縛られているとは言ってみても、タオルとちゃぶ台の脚の拘束はあまりに脆弱。ほんの僅か力を込めれば、造作もなく解くことができよう。それにその気になれば左脚だけでも、とりあえず真の身体を遠ざけることも可能だ。


「ほら――早く離れろ」


 そんな風に思いつつ、俺は真に言うのだが。


「嫌だね」


 と、即答する真。


 それを受け。俺が「はあ」と大きくため息をつきつつ、実力行使に訴えようとした時であった。


「動かないで!」


 真の厳しい口調に、期せずして俺はその初動を止められてしまっている。

/400ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ