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another storys
第22章 Promise【秘密の恋人】
「及川さんて彼氏居たんだ」
「……え?」
隣の席の西村さんが、手に持ったボールペンで私の左手を指した。
「そういう指輪は自分ではあんまり買わないでしょう?しかも薬指だし。」
「あ、これ…」
確かめるように薬指に嵌った指輪に触れる。まぁ、ね、と笑ってやり過ごした。
この春、義隆さんに作ってもらった指輪。
義隆さんの息子さんの隆行さんは、神戸の宝飾品関係の会社に勤めていて、企画の仕事をしているらしい。
そこで、企画が通った、と報告を受けたのが去年の秋。
話があるから週末ウチに帰ってくる、と聞いて、寒くなってきた時期だったから、鍋の準備をした。
2人だと食べ切れないから具材が余ってしまって、流用に困るけど、流石、若い男の子がいると減る量が全然違って、久々に鍋を楽しめた。
締めのお雑炊まで堪能した後、隆行さんが鞄からタブレットを出した。
「ちょっとコレ、見てくれない?」
私たちは隆行さんを挟むようにして、タブレットを覗きこんだ。
「……え?」
隣の席の西村さんが、手に持ったボールペンで私の左手を指した。
「そういう指輪は自分ではあんまり買わないでしょう?しかも薬指だし。」
「あ、これ…」
確かめるように薬指に嵌った指輪に触れる。まぁ、ね、と笑ってやり過ごした。
この春、義隆さんに作ってもらった指輪。
義隆さんの息子さんの隆行さんは、神戸の宝飾品関係の会社に勤めていて、企画の仕事をしているらしい。
そこで、企画が通った、と報告を受けたのが去年の秋。
話があるから週末ウチに帰ってくる、と聞いて、寒くなってきた時期だったから、鍋の準備をした。
2人だと食べ切れないから具材が余ってしまって、流用に困るけど、流石、若い男の子がいると減る量が全然違って、久々に鍋を楽しめた。
締めのお雑炊まで堪能した後、隆行さんが鞄からタブレットを出した。
「ちょっとコレ、見てくれない?」
私たちは隆行さんを挟むようにして、タブレットを覗きこんだ。