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another storys
第30章 思い出の味【社内恋愛のススメ・Cross roads】
「隆行くんにはお父さんも居るし、私も居る。一人じゃないわ。だから、お母さんも、一人じゃなくて良かった、って。そう、思ってあげよう?もう、大人になったんだから、昔に縛られなくていいのよ?」
美佳ちゃんが、優しく抱き締めてくれて。
俺は、情けないくらい、涙が止まらなくて。
美佳ちゃんの胸の中で、しゃくりあげて泣いた。
ひとしきり泣くと、何だかお腹が空いて。
思い切って、冷めたホットケーキをひと口食べてみる。
…甘くて、美味しかった。
美佳ちゃんは、無理に食べなくていいと言ってくれたけど。
無性に、食べたくて。
1枚分完食する頃には、別に嫌いな味でもないな、と思えた。
俺の側には美佳ちゃんが居てくれて。
親父には菜摘さんが、母さんにも新しい家庭があって。
それぞれが、今幸せなら、それでいいのかもしれない。
楽しかったことも、辛かったことも。
時間が経てば、全部思い出になって。
思い出にしてしまえるから、人は前に進んで行ける。
囚われたままじゃ、前に進めない。
美佳ちゃんが、それを教えてくれた。
だから、もう、大丈夫だ。
ーfinー
美佳ちゃんが、優しく抱き締めてくれて。
俺は、情けないくらい、涙が止まらなくて。
美佳ちゃんの胸の中で、しゃくりあげて泣いた。
ひとしきり泣くと、何だかお腹が空いて。
思い切って、冷めたホットケーキをひと口食べてみる。
…甘くて、美味しかった。
美佳ちゃんは、無理に食べなくていいと言ってくれたけど。
無性に、食べたくて。
1枚分完食する頃には、別に嫌いな味でもないな、と思えた。
俺の側には美佳ちゃんが居てくれて。
親父には菜摘さんが、母さんにも新しい家庭があって。
それぞれが、今幸せなら、それでいいのかもしれない。
楽しかったことも、辛かったことも。
時間が経てば、全部思い出になって。
思い出にしてしまえるから、人は前に進んで行ける。
囚われたままじゃ、前に進めない。
美佳ちゃんが、それを教えてくれた。
だから、もう、大丈夫だ。
ーfinー