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第23章 Become a family 【パズルⅡ・運命の恋人】

母さんの言葉にハッとした。
そうか。もし深谷さんが生きてたら、俺が長男で。兄弟がいたとしても、弟か妹で。
兄貴とは、父さんの友達の子供として会うことはあっても、兄貴とは呼んでなかった。爺さん婆さんは深谷さんの両親で、中瀬の爺さん婆さんは、全くの他人だったんだ…という事実を、今まで考えもしなかった。

「私、高校の時に両親が離婚して…今はそれぞれ別の家庭があるので、どちらも私の事は気遣ってくれますが、やっぱりどちらも私の家じゃないなぁって、感じてしまって…大学を出てからは、電話で連絡は取りますけど、どちらにも帰ることがないんです。家族に恵まれてない、ってずっと思ってました…」

「そう。私も、夫も、学生時代に両親を亡くして、家族に恵まれなかった者同士だから…早く家庭を作りたくて。でも、最初のパートナーも亡くなってしまったのよね…似た者同士が補い合ってきた、って感じかしら。ウチは、他所から見たら特殊なのかもしれない。だけど、みんながお互いを大切に思ってる。この絆は、血の繋がりに負けないとも思ってる。だから、由香さんも。昌希と結婚したら、この家を実家だと思って？何でも相談してね。」

「はい…!」

由香が、泣きそうな顔で頷いた。