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薔薇が燃える
第1章 今夜は雨になるだろう

奈保子は不意に、志水の気配を背中に感じた。彼の体が、奈保子の背中に触れるほどの距離にあった。
奈保子の身長は、百六十八センチである。正確には、奈保子のうなじが、志水の唇の位置だった。
それが今の二人には、自然な形であった。その形に、奈保子は解放的な悦びを感じていた。幸せだと、奈保子は思った。
そして、志水が両手で、奈保子の腹部を、まさぐりはじめる。志水の指と、奈保子の肌の間に、紺のコットンブラウスを挟んでいたが、男の指の腹の感触は、ひどく生々しい感覚で、奈保子の腹部に、こそばゆく走った。
奈保子は腹部に響く、指の動きのこそばゆさに耐え兼ねると、志水の両手を押さえ込もうとするかのように、彼の左右の指に、自分の両手を重ねた。
男の指と、女の指は、暴れる小さな獣のように、無言のまま、ささやかな格闘が生じた。
そして、志水は奈保子の左右の乳房を包んだ。
奈保子の乳房は、ブラウスの下で、黒い、派手なレースに彩られたブラに守られていたが、その這う指の動きに鋭敏に応え、嫌らしいほど硬く、隆起していた。

