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薔薇が燃える
第1章 今夜は雨になるだろう

下腹部の、小さな三角形の生地へ侵入した男の指が、女の陰毛に絡みついた。秘丘の面積は小さいが、陰毛は意外に濃厚だった。今日は曇天で、気温は昨日より、いくらか下がっていたが、湿度は高く、奈保子の肌も汗ばんで、陰毛も蒸れていた。
若干、太い志水の中指が、そのまま肉襞まで進む。女のぬかるみは、その侵入を歓迎していた。指が肉厚なので、つい男の肉棒を連想させた。男のそれは勃起すると、彼の低い身長とは反比例して、長かった。そして、彼の体形のように太く、硬くなる。
恍惚に染まった奈保子の呼吸は、ためらいがちな指でシルクの布を裂くように、神妙な間を造りながら、室内の静けさを破っていく。
「今日は一段と、すごいね……」
と、志水は言った。
奈保子の反応を面白がっているかのような物言いだった。男の、そうした言葉のなぶり方を、奈保子は嫌いではなかった。
「嬉しいな……こんなに濡れてくれるなんて……欲しくて仕方ないんだろう?欲しいって言ってごらんよ……」
奈保子は、窓の桟に両手で掴まり、少し前屈みになって、脚を開いた。
志水は若干太い中指で、熱いぬかるみを掻き回した。いつも通りの、遠慮のない、大胆な指使いだった。
奈保子の息遣いに、上擦ったような悲鳴が混じる。
そして志水の指が、クリトリスに触れると、指に絡んだ愛液をまぶすように、さすりはじめる。
「ああ、そこ気持ちいい……」
奈保子は思わず、そう口走った。
男の指の動きと、肉襞の間から、卑猥な水音と、嫌らしく甘ったるい快感が、ダラダラと間延びしながら強まっていくのを感じた。
逝きそうだった。
「あぅぅ…んっ…」
奈保子は太腿を閉じ合わせようと膝を曲げ、崩れそうな格好になった。窓の桟に掴まる奈保子の両手の指に、思わず力がこもる。
「ダメよ、まだ嫌……」
奈保子の唇から、切れぎれの声が漏れた。

