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《愛撫の先に…》
第8章 《レッスン―――…》
***

『荷物整理?』
『母さんの弟なんだ』
『わたしも行く』
『菜々美?』
『手伝いたいの』
『泊まりになるけど?』
『大丈夫』

スイートタイムを出た2人は結城の母親の弟が住む家に向かっていた。

啓輔さんはお母さんに似たのね?
目の前にいる男性とよく似てる…

『啓輔キスはしたのか?』『なっ!』

『何も感じなかったか?』『うん…』

『俺の嫁の時も何も感じなかったさ。
愛する女への未来は自分で見つけるものさ。
啓輔…君の体質俺とそっくりだから』
『えっ!』

彼はそっと耳打ちをする。『予言者は1人の女に掴まった』

***

1泊したその帰り車を停め夜景を眺めていた。

『菜々美』
『啓輔さん』

結城は菜々美の前にまわりこみ頭を下げた。
『け啓輔さんっ?』

『菜々美…
あの契約の夜曖昧なビジョン…曖昧な予言でしかなかった事を許してくれ。
君にだけキスをしようがぺニスを入れようが予言が見えなかった…――
だからこそ高瀬に苦しめられた事を今思い返しても耐えられない』

啓輔さんっ!
啓輔さん啓輔さん!
泣いてしまいそう!

『啓輔さんいいの!
あたしあなたに逢えたから!
幸せだと思うの』
『菜々美』

菜々美は啓輔に抱きつき見上げた。
重なる唇が幸せを誓っているかのように長いキスだった…―――




…終わり…
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