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《愛撫の先に…》
第3章 《胸の思い…》
終業から雑務を半分引き受けてくれた陽子のおかげで、19時過ぎに会社を出ていたが道路は渋滞でなかなか進まない。

19時58分、陽子の車から降りて走り店に並ぶ列に並んだ。
だが店内に通されたのは20時10分だった。

4人掛けのテーブルに高瀬と女性2人、しかも隣同士寄り添っている。
女性らの怪訝な表情、高瀬の悪びれない笑顔。

何この状況?

『営業が早く終わっちゃってさ、こいつらも腹減ったって言うし。
7時30分には食べ始めちゃったわけで』
『すみません、残業で』

『立ってないで座ったら?腹一杯だけど乾杯くらいするから』
高瀬らはビール等を飲んだ後らしくコーラ、
菜々美は飲めない為に烏龍茶で乾杯した。

彼の言うとうりテーブルにところ狭しと置かれた空になった食器。

なんで女の人抜きで待っていてくれなかったの?

野菜サラダ・アスパラベーコン巻きを食べる彼女は、モヤモヤする悔しさを我慢していた。

女性は携帯が鳴り外に、もう1人の女性は高瀬に甘い声を出す。
『トイレわかんない』
『初めて来る店じゃないだろ?ったくよ』

1人きりのご飯、イヤな目付きがないだけいい。

今日こんなはずじゃなかったよね?
1人きりのご飯なんて…
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