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夜想曲~瑠璃色の奇跡~
第7章 其の一ー7・隠れ別荘~予想外の再開‥そして…~
「・・・ん…」
繋がっていた体が離れる、でも私を抱き締めて離そうとはしない山県さん…
「抱き心地がいい‥その温もりも…」
「あ‥あのっ‥まだ・・・」
「・・ん?
‥おいおい若く無いんだ、抜かず何度もなどムリだろうが…」
「え!?
その‥そんな…」
意外にはっきり言う山県さんに、私の方が真っ赤になってしまう‥そう言う意味で言ったのでは無いのに‥その……
「・・・少し眠りたい、懐かしい温もりの中で…」
「帰らなくて大丈夫??」
「其処まで心配されて無いぞ?」
「そう…
うん‥山県さんの温もりは私も好きよ…だから一緒に…」
「ああ・・・」
こうして抱き締め合い眠ったのは何時の話だったか…
大柄な山県さんにすっぽり包まれ、朝まで安心して眠る・・・・・
「・・・・・」
朝‥山県さんと森先生は一緒に別荘を出た…
一晩泊まった山県さんに森先生は驚いていたけど、其処は男と女の密事なんて言って誤魔化してみたりして……
『暇が出来たら、また来る』
部屋を出る時、山県さんはそう言い残して出て行った
気持ちは分かる、幾ら陸軍元帥と言ったって里心くらいある、それが私と言うだけ他意は無い、また何時か・・・
此からも色々な先生がこの別荘にやって来るだろう、芸術家と言うのは本当に不思議な人達の集まり‥それに付き合うのもそんなに悪いものじゃない
数多の知識を身に付け数多の事柄に精通する、私でも知らない知識が聞ける事も屡々
そして人の数だけあるそれぞれの欲望、これも普通とは少し変わった性癖が多いのは確か…
光るものを持っている者は、やはり他者とはどことなく違う
独特の世界観
強い意志
1つを極めし者
どれ1つ取っても、他者を惹きつけてやまない輝きがある
そんな先生達の間を私は漂うように移ろい歩く‥
私を求めやって来る先生達を相手に別荘という特殊な空間で・・・
そんな生活の中、偶々今日入って来た読売に目が止まる…
『大元帥暗殺未遂
幸イニモ元帥ハ軽傷ナリ』
「・・・嘘・・・」
山県さんが襲われた!?
それに軽傷という事は、少なからず怪我を負った…
読売を投げ捨てて私は別荘を出て走る‥‥山県邸へと・・・
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