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夜想曲~瑠璃色の奇跡~
第7章 其の一ー7・隠れ別荘~予想外の再開‥そして…~
"・・・カタッ・・・"
「??
留め金でも外れていたか?」
ベランダに出る窓が少しだけ開いて、穏やかだが風が入って来る…
「全く…「・・・山県さん・・・」」
窓を閉めようとした途端女性の声、勿論聞き覚えがある声だ…
「・・・どうした?
此処には来ないと思っていた…」
「怪我をしたと聞いて・・・」
カーテン裏から女性が姿を表す‥こんな所まで入って来れる女性は1人しか居ない
「・・・怪我は?」
「かすり傷だ…
それだけだと言うのにベッドに釘付けときた…」
夫唱婦随と言う顔でベッドに居る山県さん、でも右腕は包帯で固定されていて…
そっとベッドに近付く……
「・・・痛みは‥??」
「無いと言ったら嘘になるな…」
「・・・見せて・・・」
「構わんが・・・」
ゆっくりと山県さんの腕の包帯を外してゆく…
「・・・・・」
急所とか銃弾貫通とは言わないけれど、確実に銃弾は山県さんの腕を捉えて通過した…
腕に付いた傷跡‥決して浅くは無い
「・・・動かせる程度には‥痛みが無いようには回復させるわ、心を楽にして‥私の力を受け入れて…」
「・・・ああ・・・」
手を傷口に当てて力を発動させる…
今の私に出来るのはこのくらいしかないから・・・
何時か何処かで見た朱とも瑠璃色とも見える光が腕の傷を治してゆく
蒼だけが持つ奇跡の力……
「ギリギリの所は助けてくれるんだな…」
「・・・見捨てたつもりは無いわ‥ただ少し離れていたいだけ・・・」
「それでも‥お前が来てくれた事に嬉しさはあるが?」
「・・・そう…
そう言ってくれるだけ良かったかしら?
別荘で会った時、本当にもう会わない方が良いのかと少しだけ考えたの…
私と山県さんではもう立場が違う、私は‥そのままだから…」
「俺は気にして無いぞ…
俺だけじゃない、皆気にしないと思うが?」
「・・・私が‥気になるもの・・・前のようにはいかないわ仕方が無い事よ…」
確実に山県さんの怪我を治し、力を開放してしまう
「もう大丈夫‥普通に動かせるし痛みも無い筈よ」
そう言うと山県さんは腕を動かし始め…
"・・・ふわっ・・・"
最後に私の腰を掴んで引き寄せて来る…
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