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危険な香りに誘われて
第6章 男の嘘
賢也は、真紀の中に身を潜めるように、じっとしていた。時折、ゆっくりと抽挿だけで、激しく動こうとしない。
もどかしい。真紀は、催促するように腰を揺らした。

「賢也」

「動かないでくれ」

「なんで」

「いい子だから、じっとしてろ」

宥めるようなキス。
真紀は、切ない気持ちで賢也を見つめた。

「三回でいっちまうなんてカッコ悪いこと出来ねぇから」

賢也は、啄むようにキスを繰り返した。
髪を指で梳き、おでこに掛かった髪を払い、優しく撫でてやる。
真紀は、ふぅと甘いため息を零した。

真紀は、目を閉じた。
心まで、満たされたような気分。
ギュッと賢也に抱きついた。触れる肌が気持ち良い。

「賢也」

「ん」

「もっとギュッてして」

「潰れちまうぞ」

「うん。いいよ。ギューってされたい」

賢也は、軽く微笑んで、言われた通り真紀を強く抱き締めた。触れあう肌が心地良い。

「痛くないか」

「うん。抱き合うと気持ち良いんだね」

「ああ。本当だな」


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