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第11章 夜空に咲く花の下で

お預けを食らった犬じゃねぇぞ。賢也は、ムッとして真紀の手を掴んで下ろさせた。
片手で抱き締め、顎に手を掛ける。

「キスだけならいいだろう」

返事も聞かないまま、唇を押しつけた。拒もうとする真紀の歯を舌先で舐めると、真紀の口が自然と開く。求めれば、体が応じるように調教してきた。賢也は、にんまりした。

「んんっ」

濃厚なキスに真紀は、うっとり、唇から甘いため息を零す。賢也のキスは、心まで奪っていく。だらりと体の力が抜け、賢也にしなだれかかる。

「キスだけなら････」

賢也は、意味深な笑みを浮かべ、真紀を抱き上げるとベッドに寝かせた。覆いかぶさり、再び唇を重ねる。

「んんっ、け、賢也っ」

焦ったような真紀の声は、賢也の口の中へ消えていった。
耳たぶを軽く噛み、そのまま首筋に舌を這わせる。体を捩ったり、手を使って抵抗する真紀をベッドへ縫いつけるように押さえ込み、首筋に吸いついた。

「だめっ、見えちゃう」

やっと消えたのに、また所有の証を付けられるなんて嫌だ。真紀は、賢也の胸を押した。

「んじゃあ、見えねぇところならいいんだな」

これは、賢也の作戦だ。そうとも知らず、真紀は、軽く承諾。
賢也は、スルリと体をずらし、真紀の浴衣の裾を開いた。生足が見え、賢也は、ゴクリと喉を鳴らした。
太腿に唇を押し当て、軽くキスをした。膝裏を抱え、足を広げると、柔らかそうな内腿に噛みつく。

「きゃっ、だめっ」

なんの役にも立たないようなＴバックのショーツは、賢也の好みで履かせている。だが、ラインが目立たないと今夜は、真紀もそれを選んで履いていた。
指で引っ掛けると、咲きかけた花びらのような割れ目が丸見え。
賢也は、花弁を押し開き、じっくりと観察する。濡れて光っているのを確認すると、そこにもキスをした。

「ああんっ。だめぇ。約束が違う」

真紀は、よがり声を出し、足をバタつかせた。

「キスしかしてねぇよ」

「んんっ。だって」