この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
危険な香りに誘われて
第15章 明けない夜はない
賢也は、慌てて家へ戻った。キッチンからいい匂いがしている。真紀は、何事も無い様子で、夕食の仕度をしていた。その姿を見て、賢也は、ホッと息をついた。
「お帰り」
笑顔が賢也に向けられる。自分が狙われていたなど、知りもしないで。
全ては、自分のせいだと、賢也は、自分を責めた。自分が愛してしまったばかりに、真紀は、常に危険に晒されている。そう思うと胸が痛み、苦しくなる。
「あのよ、なんか、変わったことなかったか?」
「何で?」
「いや、最近物騒だから、変な奴とかいなかったかなって」
真紀は、クスクス笑った。
「賢也って、意外と心配性だよね」
「笑い事じゃねぇって。いいか、変な車とかいたら、警戒しろよ」
「わかった、わかった。もう、いいよ。それよか今日ね、商店街の肉屋で、アキレス売ってたよ。賢也、アキレス好きだよね」
危なく、この笑顔を消すところだった。真紀の頬を撫で下ろす。
「呑気な奴」
「あれ、ねぇ、どうしたの?首んところ切れてるよ」
「大したことねぇよ。それより、久しぶりにフルパワー充電っ」
強く抱き締めて唇を重ねた。
賢也の頭の中で根津の言葉がこだまする。
『身内に暴力団員がいる。それが、家族にどんな迷惑を掛けるか、君が一番よく分かっているんじゃないか』
『彼女が大切なら、辛い選択肢も考えることだ』
「お帰り」
笑顔が賢也に向けられる。自分が狙われていたなど、知りもしないで。
全ては、自分のせいだと、賢也は、自分を責めた。自分が愛してしまったばかりに、真紀は、常に危険に晒されている。そう思うと胸が痛み、苦しくなる。
「あのよ、なんか、変わったことなかったか?」
「何で?」
「いや、最近物騒だから、変な奴とかいなかったかなって」
真紀は、クスクス笑った。
「賢也って、意外と心配性だよね」
「笑い事じゃねぇって。いいか、変な車とかいたら、警戒しろよ」
「わかった、わかった。もう、いいよ。それよか今日ね、商店街の肉屋で、アキレス売ってたよ。賢也、アキレス好きだよね」
危なく、この笑顔を消すところだった。真紀の頬を撫で下ろす。
「呑気な奴」
「あれ、ねぇ、どうしたの?首んところ切れてるよ」
「大したことねぇよ。それより、久しぶりにフルパワー充電っ」
強く抱き締めて唇を重ねた。
賢也の頭の中で根津の言葉がこだまする。
『身内に暴力団員がいる。それが、家族にどんな迷惑を掛けるか、君が一番よく分かっているんじゃないか』
『彼女が大切なら、辛い選択肢も考えることだ』