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危険な香りに誘われて
第15章 明けない夜はない
「覚悟を決めろ、賢也」
父親の顔が、まるで般若のように見えた。そんなに津嶋が欲しいのかよ。賢也は、首に突き刺さっている刀を払いのけた。
「・・・わかった。俺も腹をくくる。その代わり、真紀や真紀の家族、俺のつれ。誰にも手を出さないと約束してくれ」
「いいだろう」
親父が、声高く笑った。
「ハハハハ、親父、聞こえたか?やっと、このバカが、本気になったらしいぞ。俺達の夢を叶える為にな」
首筋に流れる血を手の甲で拭い、賢也は、廊下の男に顔を向けた。
「おい。さっさと電話して俺のマンションから撤退させろ。真紀に指一本でも触れたら、お前の指を全部そぎ落とすからな」
「はい」
津嶋会と岡崎の為だけに。
それだけの為に、俺は、生まれたのか。
そんなくだらない事の為に。
父親の顔が、まるで般若のように見えた。そんなに津嶋が欲しいのかよ。賢也は、首に突き刺さっている刀を払いのけた。
「・・・わかった。俺も腹をくくる。その代わり、真紀や真紀の家族、俺のつれ。誰にも手を出さないと約束してくれ」
「いいだろう」
親父が、声高く笑った。
「ハハハハ、親父、聞こえたか?やっと、このバカが、本気になったらしいぞ。俺達の夢を叶える為にな」
首筋に流れる血を手の甲で拭い、賢也は、廊下の男に顔を向けた。
「おい。さっさと電話して俺のマンションから撤退させろ。真紀に指一本でも触れたら、お前の指を全部そぎ落とすからな」
「はい」
津嶋会と岡崎の為だけに。
それだけの為に、俺は、生まれたのか。
そんなくだらない事の為に。