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危険な香りに誘われて
第16章 止まない雨はない
賢也も仕事も失って、真紀は、毎日ぼんやりしていた。何もやる気が起きない。お腹も空かなければ作る気力もない。

インターホンも無視していた。
しかし、毎日、耳障りなほと、しつこく鳴るインターホンに、ついに根負け。
重い腰を上げた。


『顧問弁護士の伊藤です』

賢也が、出て行った後、何度か電話が、掛かってきたことを思い出した。
ドアポストに名刺が入っていたことも思い出す。

インターホン越しに面会を断ると、伊藤は、面会を求め、何度も訪れた。酷い時は、日に5度、インターホンを鳴らす。

『いい加減、面会して頂けませんか?私も仕事なんですよ』

イラついているのが、あからさまにわかるような口調。

『お会いして頂くまで、何度でも伺いますからね』

真紀は、うんざりした顔でため息をつき、鍵を外し、しかめっ面でドアを開けた。
伊藤は、閉じているのかと思うほど、細い目に、でっぷりした体型。もう秋だと言うのに、顔に大量の汗。本当に弁護士?真紀は、眉間にシワを寄せた。

弁護士の伊藤曰く。

賢也が、慰謝料を払うと申し出ている。
さっさとサインし、金を受け取れと言う。

「慰謝料なんていりません」

「口約束とはいえ、婚約関係だったんです。当然の権利です。受け取るべきだ。どうか、依頼人の気持ちを汲んでやって下さい」

受け取ってしまったら、二人の関係が終わったことを認めてしまうことになる。
終わらせたくない。

「もう少し、考える時間を下さい」
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