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危険な香りに誘われて
第17章 一場春夢
賢也が、オカザキの社長岡崎孝也の息子だというのは、社員の誰もが知っている。そして時期社長候補であることも。
会社の重役広川と、営業部長吉田を従えて、いつも不機嫌な顔しか見せない男が、女性社員の肩を抱き、経理課まで着き添う姿を見て、社員たちは、目を疑った。
「いったい、どうなってるの?」
「そうだよ。真紀ちゃん。俺のラブコールに応えてくれないと思っていたら、まさか賢也さんと、そんな仲になってたなんて、酷いよ」
「婚約してるって噂、本当なの?」
二人の関係が、社員に知れ渡るまで、大した時間は、掛からなかった。板倉が、噂をあちこちばら撒いたせいだ。
その噂は、皇帝の耳にも届いていたらしい。
経理課長から社長室へ行くように言われ、真紀の胃がキリキリと痛む。重い足取りで社長室へ行き、ため息をついた。
恐る恐る扉をノックすると。
「入れ」
くぐもった声がドアの向こうから聞こえた。
会社の重役広川と、営業部長吉田を従えて、いつも不機嫌な顔しか見せない男が、女性社員の肩を抱き、経理課まで着き添う姿を見て、社員たちは、目を疑った。
「いったい、どうなってるの?」
「そうだよ。真紀ちゃん。俺のラブコールに応えてくれないと思っていたら、まさか賢也さんと、そんな仲になってたなんて、酷いよ」
「婚約してるって噂、本当なの?」
二人の関係が、社員に知れ渡るまで、大した時間は、掛からなかった。板倉が、噂をあちこちばら撒いたせいだ。
その噂は、皇帝の耳にも届いていたらしい。
経理課長から社長室へ行くように言われ、真紀の胃がキリキリと痛む。重い足取りで社長室へ行き、ため息をついた。
恐る恐る扉をノックすると。
「入れ」
くぐもった声がドアの向こうから聞こえた。