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危険な香りに誘われて
第2章 7年後
真理は、何に目覚めたのか、玄関やキッチンと、ベッド以外の場所でもセックスしようとする。
これも全部、遊び人賢也のせいだ。そう思うと、睨まずにはいられない。

「何よ、千佐ちゃん。俺の大事なところ全部見ておいて、その目つきは、ないんじゃないか?」

千佐子は、すぐ側にあったティッシュBOXをつかみ、賢也めがけて投げつけた。
賢也は、それを片手でキャッチすると、真紀の手に渡した。

「あれは、オカケンさんが、勝手に見せたんじゃない!ホント最低」

「本当のところ、あれ見て興奮したんじゃないの?真理、ベランダシーンは、なかなか良かったろ」

「そうだな。今度チャレンジしてみるよ」

真理は、ソファを見ながらクックッと含んだような笑いをする。千佐子は、赤面した。真理は、絶対、あの時の事を思い出している。

「真理さーんっ。何てこと言うのよ。もう、オカケンさん帰って!真理さんが変態になっちゃうっ」

「分かった、分かった。嫌われ者は退散するよ。じゃあな、真紀ちゃん」

ポンと真紀の頭に軽く手を乗せた。ドキッとした真紀は、座ったまま賢也を見上げる。
帰っちゃうの。そんな寂しい気持ちが、ふと湧いて。

「うん、バイバイ」

声に力が入らなかった。

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