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危険な香りに誘われて
第18章 危ない男たち
「さっきも言いましたが、俺、真紀以外の女とは」

ママが、賢也の唇を塞ごうとした。賢也は、それを避けようと顔を背けた。
頬に唇がかする。

「んもう、つれないのね。こんな立派なもの持ってるのに、もったいないわ。彼女より、私の方が、テクニックもあるし、楽しませてあげるわよ」

ママは、賢也のモノを掌で包み軽く上下させた。

「私、姐さんて呼ばれてみたいわ」

この世界にいる奴は、男も汚いが、女も大概だな。賢也がため息をつくのと同時に女に握られていたモノが、萎えていった。

「あんたの欲しいものは、組長の妻の座か?」

ママは、必死になって大きくしようと手を動かした。しかし、それは萎えたままだ。

「そりゃあそうよ。この世界で生きている女なら、誰だってトップになる男がいいわ。広川は、いい男だけど。所詮使われる身。せめてオカザキの代表にでもなってくれたら良かったんだけど。あ、これ広川には、内緒よ」

ママは、身を低くし、賢也の萎えたモノを口に含もうとした。

「ひっ」

ママの頭が、賢也のモノからグイッと引きはがされた。髪を鷲掴みされ、ママが顎を突き上げた。

「痛いっ。何すんの」

ママの頭を掴んだまま立ちあがると、床に投げ捨てるように腕を振り払う。ママは、つま先をつんのめて、よろけながら床へ両手をつき、ぺたりと坐り込んだ。掴まれたせいで夜会巻にした髪が乱れている。

「広川の女だと思ってつけあがってんじゃねぇぞ」

欲深な女は、床に座り込んだまま賢也を睨みつけている。賢也は、おしぼりをつかむと頬を拭い、女に投げつける振りをした。
顔を背け片腕を上げ震えている女を見て。

「腐った女だな、あんた」

膝の前にパサッとおしぼりを落とした。
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