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危険な香りに誘われて
第19章 最期の夜
会社に警察が来てからの2週間、賢也は、何度となく本部へ足を運んだ。
本部は、稲田組の組長の申し出により、稲田組組長を除籍処分、逮捕された二名は、破門とすることを承認した。

「今回の件、裏から手を回して頂いて、お手間を取らせました。ありがとうございます」

賢也は、池の錦鯉に餌をやる津嶋会の組長に頭を下げた。

「なに、比呂とは、長い付き合いだからな。あまり、深く追求せんでくれと一言頼んだだけだ」

組長は、パンパンと手を叩くと賢也に顔を向け。

「それより、幹部の件、引き受けてくれるか?」

「それが、お望みなら」

組長は、鼻で笑った。

「随分、謙虚だな」

賢也は、無言で頭を下げた。

「しっかりやってくれ」

「失礼します」


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