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危険な香りに誘われて
第20章 雷雲に消える昇竜
皇帝が亡くなった。

突然の死に驚き、嘆く男たち。その殆どは暴力団関係者。今日の葬儀を一般社員は、誰も知らない。
あちらこちらから聞こえる嗚咽。鼻をすする音。
厳つく大柄な男が、周囲を気にもせず、号泣する声も耳に届く。

真紀は、一番端の参列者用席から、喪主を務める賢也に視線を向けた。
一文字にした口、無表情な顔。淡々と喪主として葬儀の務めを果たしている。
そのすぐ隣には、女帝。涙を見せることもなく、別れを惜しむ参列者に深々と頭を下げる。

「真紀ちゃん、焼香行こうか」

隣に座っている吉田に声を掛けられ、頷き、立ち上がった。
痛いほど感じる視線。真紀は、吉田の後ろを隠れるようについて行く。
賢也に言われたように俯ぎ加減で歩き、焼香の列に並んだ。

遺影の皇帝は、若々しく、勇ましく見えた。どことなく笑って見えるのは、気のせいだろうか。
手を合わせ、目を閉じ、冥福を祈った。

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