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危険な香りに誘われて
第20章 雷雲に消える昇竜
真紀は、そそくさと、その場を逃げた。
途端に険しい顔つきになる二人。
「あいつに余計なこと、吹き込まないでください」
賢也は、視界の端で、真紀を追う。他の組員が自分の女に近づかないか、神経をピリピリさせている。やれやれ、警戒心むき出しだな。組長は、鼻で笑った。
「話しておらんのか」
「はい」
「・・・・で、消息は」
「まだです。アパートは、もぬけの空でした」
「ふむ。逃げたか、それとも殺されたか」
「車の中に残った血痕は、親父一人のものでした。あの時点で、あいつが殺されたとは、考えにくい」
「お前は、どう思う?」
「分かりません。ただ、短時間過ぎるのが引っ掛かるんです」
共犯者がいるのか。それとも他に首謀者がいるのか。
どちらにしても、単独犯じゃねぇことだけは確かだ。
途端に険しい顔つきになる二人。
「あいつに余計なこと、吹き込まないでください」
賢也は、視界の端で、真紀を追う。他の組員が自分の女に近づかないか、神経をピリピリさせている。やれやれ、警戒心むき出しだな。組長は、鼻で笑った。
「話しておらんのか」
「はい」
「・・・・で、消息は」
「まだです。アパートは、もぬけの空でした」
「ふむ。逃げたか、それとも殺されたか」
「車の中に残った血痕は、親父一人のものでした。あの時点で、あいつが殺されたとは、考えにくい」
「お前は、どう思う?」
「分かりません。ただ、短時間過ぎるのが引っ掛かるんです」
共犯者がいるのか。それとも他に首謀者がいるのか。
どちらにしても、単独犯じゃねぇことだけは確かだ。