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危険な香りに誘われて
第20章 雷雲に消える昇竜
雨は、まだ激しく降っている。
アスファルトに溜まった水たまりにタイヤが浸かる度、窓の外に水しぶきを上げた。

「吉田さん」

「ん?」

「・・・ですか?」

「悪い。もう一回言ってくれ」

吉田は、ラジオのボリュームを下げた。

「お寺のお葬式って、受付もないんですか」

「家族葬ってことにしたから、香典も受け取らねぇし、受付必要ねぇって、賢坊が言い出したんだよ」

「それでも、受付くらいあるでしょう?」

葬式に出たことはなかったが、同僚の親の通夜に参列したことが、二度あった。家族葬で、香典も献花も受け取らなかったが、受付で芳名帳に署名した覚えがある。

「寺に気を遣ったんだろう」

「参列した人たちが、暴力団関係者だから?」

吉田は、ミラー越しに真紀を見た。
素人目からしても、あの参列者が一般人とは、誰も思わないだろう。自分たちの世界に真紀を関わらせたくないと常日頃から口うるさく言う賢也のことを思えば、余計なことは喋らないほうがいい。

「なぁ、その話は、もう止めにしようや」

吉田は、ラジオのボリュームを上げた。



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