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危険な香りに誘われて
第21章 番犬注意
外に出ることも出来ず、賢也が帰ってくるのを今か、今かと待ち構え、ドアを開けた途端、攻撃してくるかもしれない。
可愛い顔して、猫パンチを繰り出す凶暴な一面を持っている。
ふと、目にしたケーキ屋。確か、真紀は、ここのケーキが好きだったな。
「吉田さん、ちょっと、寄ってもらえませんか」
「真紀ちゃんにか?」
広川がニヤニヤしながら訪ねる。
「ええ」
「広も裕美ちゃんたちに買って帰ってやれよ。たまには、家族サービスしねぇと、愛想つかされるぞ」
「・・・・ちっ」
吉田に促され、舌打ちしながら広川も車から降りた。
「この苺のタルト、ホールでください」
「美味いのか?」
「真紀が、好きなんですよ」
「お前、本当に真紀ちゃん好きだな?」
半笑いする広川に、賢也は、笑みを返した。
「いけませんか?」
照れもなく言い切る賢也を見て、広川は、鼻を鳴らした。
大事にし過ぎて、とうとう閉じ込めちまったもんな。真紀ちゃんも、気の毒に。やれやれと、広川は、被りを振った。
車に戻ると吉田が、誰かと電話をしている。
相手に礼を言い、電話を切ると後部座席に顔を向けた。
「ちょっと、面白い情報が手に入った」
「聞かせてください」
「昔、山口の寺で強盗殺人があったんだとよ。家族全員殺されたらしいが、一人だけ助かったやつがいる。修学旅行で寺に居なかった次男坊だ」
可愛い顔して、猫パンチを繰り出す凶暴な一面を持っている。
ふと、目にしたケーキ屋。確か、真紀は、ここのケーキが好きだったな。
「吉田さん、ちょっと、寄ってもらえませんか」
「真紀ちゃんにか?」
広川がニヤニヤしながら訪ねる。
「ええ」
「広も裕美ちゃんたちに買って帰ってやれよ。たまには、家族サービスしねぇと、愛想つかされるぞ」
「・・・・ちっ」
吉田に促され、舌打ちしながら広川も車から降りた。
「この苺のタルト、ホールでください」
「美味いのか?」
「真紀が、好きなんですよ」
「お前、本当に真紀ちゃん好きだな?」
半笑いする広川に、賢也は、笑みを返した。
「いけませんか?」
照れもなく言い切る賢也を見て、広川は、鼻を鳴らした。
大事にし過ぎて、とうとう閉じ込めちまったもんな。真紀ちゃんも、気の毒に。やれやれと、広川は、被りを振った。
車に戻ると吉田が、誰かと電話をしている。
相手に礼を言い、電話を切ると後部座席に顔を向けた。
「ちょっと、面白い情報が手に入った」
「聞かせてください」
「昔、山口の寺で強盗殺人があったんだとよ。家族全員殺されたらしいが、一人だけ助かったやつがいる。修学旅行で寺に居なかった次男坊だ」