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危険な香りに誘われて
第23章 奪還
テレビも、雑誌もつまらない。あれほど暇が出来たら読み更けりたいと思っていた漫画は、手に取ろうとすら思わなかった。
欠伸ばかりして、今、何時か、賢也はまだかと時計ばかり気にする日々。
退屈過ぎて苦痛すら感じる。
賢也に泣きつき、休み明けには、外出させてもらうことになったが、犯人が捕まるまで、単独行動は禁止。どこに行くにも誰かつけると言われた。つまり、本当の意味での自由ではない。
庇護欲が強すぎて、時々窮屈に感じる。
そんなに、自分は、頼りな気に見えるのだろうか。
誰かに守ってもらわないと生きていけないタイプとは、思っていないのに。
「賢也のあほ」
そこにいない男に腹を立て、クッションへ八当たりしていると。
インターホンが鳴った。
「はい?」
「板倉です」
真紀は、急いで玄関の扉を開けた。
田舎に行ったきり、何の音沙汰もなかった板倉が帰って来た。
「お帰りなさい」
自然と笑顔が溢れた。
板倉の面食らった表情に、首を傾げながらも。
「お母さん、もう大丈夫なの?」
「えっ」
「具合が悪くて田舎に帰っていたって聞いたよ。教えてくれたら、お見舞い用意したのに」
「ありがとう。あ、あの真紀ちゃん。そのこともあって、相談に乗ってもらえたらって、俺・・・・」
「私でいいの?よかったら、上がって」
部屋に板倉を招き入れた。
欠伸ばかりして、今、何時か、賢也はまだかと時計ばかり気にする日々。
退屈過ぎて苦痛すら感じる。
賢也に泣きつき、休み明けには、外出させてもらうことになったが、犯人が捕まるまで、単独行動は禁止。どこに行くにも誰かつけると言われた。つまり、本当の意味での自由ではない。
庇護欲が強すぎて、時々窮屈に感じる。
そんなに、自分は、頼りな気に見えるのだろうか。
誰かに守ってもらわないと生きていけないタイプとは、思っていないのに。
「賢也のあほ」
そこにいない男に腹を立て、クッションへ八当たりしていると。
インターホンが鳴った。
「はい?」
「板倉です」
真紀は、急いで玄関の扉を開けた。
田舎に行ったきり、何の音沙汰もなかった板倉が帰って来た。
「お帰りなさい」
自然と笑顔が溢れた。
板倉の面食らった表情に、首を傾げながらも。
「お母さん、もう大丈夫なの?」
「えっ」
「具合が悪くて田舎に帰っていたって聞いたよ。教えてくれたら、お見舞い用意したのに」
「ありがとう。あ、あの真紀ちゃん。そのこともあって、相談に乗ってもらえたらって、俺・・・・」
「私でいいの?よかったら、上がって」
部屋に板倉を招き入れた。