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危険な香りに誘われて
第23章 奪還
板倉は、急いで尻ポケットに突っ込んであったスマホを取り出した。
電源を入れようとして、一瞬躊躇った。
どこへ掛けるつもりだ。
警察?
電源を入れ、起動するのを待つ間も、まだ迷っていた。
「くそっ、真紀ちゃんの命が掛かっているんだぞ」
自分を叱りつけ、画面を睨む。
検索する指が震えた。
コール2回。
『南条?』
電話の向こうから聞こえたのは、自分の本名。全部、バレている。確信した。
「はい」
『てめぇ、どこにいやがるっ』
怒り狂った激しい声にビビリ、スマホを落としそうになった。
「うっ、あっ、あ」
パニックを起こし、何を喋っていいのか分からなくなる。
『真紀は、どうした』
「ま、真紀ちゃんは・・・・原田さんが」
頭が真っ白になり、何を喋ったのか覚えていない。
ただ、賢也に『10分で行く、そこにいろ』そう言われ、駐車場を出てすぐの国道に面した路肩で、ぼんやり座り込んでいた。
パッシングに目を凝らし、思わず立ちあがると、目の前に白いスカイラインが停止した。後ろには、白のレクサスと、数台の黒いベンツ。
「さっさと乗れっ」
「は、はい」
板倉は、慌ててドアを開け、助手席に飛び乗った。
電源を入れようとして、一瞬躊躇った。
どこへ掛けるつもりだ。
警察?
電源を入れ、起動するのを待つ間も、まだ迷っていた。
「くそっ、真紀ちゃんの命が掛かっているんだぞ」
自分を叱りつけ、画面を睨む。
検索する指が震えた。
コール2回。
『南条?』
電話の向こうから聞こえたのは、自分の本名。全部、バレている。確信した。
「はい」
『てめぇ、どこにいやがるっ』
怒り狂った激しい声にビビリ、スマホを落としそうになった。
「うっ、あっ、あ」
パニックを起こし、何を喋っていいのか分からなくなる。
『真紀は、どうした』
「ま、真紀ちゃんは・・・・原田さんが」
頭が真っ白になり、何を喋ったのか覚えていない。
ただ、賢也に『10分で行く、そこにいろ』そう言われ、駐車場を出てすぐの国道に面した路肩で、ぼんやり座り込んでいた。
パッシングに目を凝らし、思わず立ちあがると、目の前に白いスカイラインが停止した。後ろには、白のレクサスと、数台の黒いベンツ。
「さっさと乗れっ」
「は、はい」
板倉は、慌ててドアを開け、助手席に飛び乗った。