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果てのない海に呑まれて
第12章 喧嘩するほど–––
「だから"もの"扱いって……」
そこまできてリリアははっとした
'奴らは私のものだ'
以前、似たような言葉を聞いた覚えがある
ミゲルに対して向けられた軽蔑を、確かーーー
'そいつはくれてやらんぞ。ミゲルは私のものだからな'
そう言ってジェーニオを退けた
「あ……」
そうか
"そういうこと"か
レオンは自分の懐に入った人間を絶対に傷付けさせない
それが彼らを離さないのだ
損得や理屈などではなく、心の深い部分を掴んでーーー
「それでもああいう態度を取られると時々無性に腹が立って、殴り倒したくなるがな」
ミゲルは半分本気、半分冗談のように言って笑う
そしてリリアの方を向くと、真顔に戻って言葉を続けた