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果てのない海に呑まれて
第13章 懐疑



「……あまり気に病むな。誤解を招くようなことをしてしまった私の責任だ」



リリアの胸中を察したのか、レオンは優しくそう言った



「ええ……」

「ハァ……稽古はまた今度つけてやろう。とりあえずこれは肌身離さず持っておけ」



彼女から剣を取って鞘に収め、またその手にしっかりと握らせる



「お前を守りたい。私の気持ちだ」



******************************



それからまた数週間が過ぎた頃ーーー

それはリリアが一人で廊下を歩いている時に起こった



「……あ」



角を曲がった先でばったりと出くわしたのは、レオンの異母弟、ジェーニオ



「あれ、君まだいたんだ」



普段大学へ通っているジェーニオはこの屋敷には滅多に顔を出さない

廊下に置かれた彫刻を前に佇む彼を前にしてリリアは目を細めた



「こんなところで……何をしているの?」

「口の利き方に気をつけろ。いくら兄上のお気に入りでも、僕はお前とは身分が違うんだ」

「……」



相変わらずの傲慢っぷり

レオンもかなりの上から目線だが、彼はまた全く違う


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